広告戦略の進め方は「予算設定→広告戦略の立案→クリエイティブの制作」の順に進みます。まず、広告予算を決めなければ広告戦略を組み立てることはできません。予算が潤沢なら他社サービスよりも認知拡大を目指して大手と競合しますし、予算が限られれば、限られた市場や地域で1番を目指す戦略になります。まずは予算を決めましょう。この章では営業利益を加味した広告戦略を考えていきます。
マーケティングの基本的な考え方
イメージがしやすいように、売上1億円で原価率40%、粗利益6000万円、営業利益10%(600万円)を目標とするビジネスを例にとります。
多くの中小企業は広告に費用をかけることをためらい、SNSの発信やWebサイトの更新、B2Bなら社員による営業活動を行いますが、新規顧客の獲得に時間がかかります。多くの企業がSNSやWebサイトで発信している中で多くのユーザーに見つけてもらうのはアルゴリズム次第、SNSやWebサイトを通して顧客になってもらうのは再現性がなく、多くの試行錯誤が必要で炎上リスクもあります。B2Bの社員による営業活動もまずニーズがある人を探し出さなければならないので時間がかかります。
勿論、サービスの質を高めSNSなどでタッチポイントを増やすことは重要ですが、ビジネスが成長には新規顧客の獲得が重要。多少でも予算を確保しマーケティングをつくっていきましょう。ここでのマーケティングとは、売れる仕組みを作ることです。
営業利益600万円の広告活動
先ほどの例で、営業利益600万円でマーケティングを行うとします。理想的には、広告で新規顧客を獲得し、サービスの質や日頃のSNS更新でファン化してもらうことが目標です。
広告を行うにあたって、中小企業が重要視すべきは、広告の効果測定ができるかどうかです。まずポータルサイトが最優先。飲食なら食べログ、美容系はホットペッパービューティ、D2CならAmazonなどのことです。他社との過当競争にはなりますが、検討層がいるのが明白ですし、コンセプトがハッキリしていれば結果を出しやすく、効果測定が容易です。
Web広告は比較的低コストで効果測定が容易なので次の選択肢です。D2Cなら勿論ですが、B2BでもB2Cでも大体の業種で予算を小さく見込み客にアプローチ可能です。弱点は比較検討がワンクリックで出来てしまうので記憶に残りづらく、顧客は回遊してから選ぶので、Webマーケティング力が必要になってきます。外注するのも運用者によってレベルの差が大きいので、そういったところがデメリットです。
広告としておすすめするのはチラシやDMです。チラシの印刷費やポスティング費用はエリアによって異なりますが、デザイン制作も印刷もポスティングも全部外注すれば予算100万円は必要になってきますが効果測定が容易です。店舗ビジネスであれば割引のオファーチラシ、不動産仲介のような来場いただくような業種ならヒアリングで効果測定ができます。
例としてプランニングしていくと、Web広告を月20万円×6ヵ月=120万円、チラシ2回=200万で計320万円。Webマーケティングに精通していればWeb広告だけでもいいですが多くの会社はそうではないと思うのでWeb予算を削減してでもチラシやDMも行ったほうがいいと思っています。
営業利益600万円の企業でも実現可能な範囲、売上の3.2%が広告費に充てられています。
媒体選びと戦略の普遍性
業種によって適した広告媒体は異なりますが、ここで述べた広告戦略は普遍的なものです。ぜひ参考にして、戦略を組み立ててください。ビジネス規模や予算に応じて、最適な広告戦略を立てることが成功への第一歩です。
※大企業の場合、認知度を高めるための広告戦略が重要ですので、ここで述べた内容は中小企業に限った話です。