客先に飛び込みだけではしていても手間はかかるが顧客は増えづらいし、店舗型のビジネスにおいては待っていても顧客は増えづらい。小規模ビジネスにおいて広告や広報は重要な役割を持ちます。
広告予算について説明します。
広告予算はどのぐらい必要?
基本的には、商品の売上に対して広告費の割合を設定します。
よく言う大雑把な指標は、アパレルや飲食店など原価率の低い商品は売上の9%。原価率が高い商品は3-6%。BtoB、仲介業は3%程度。
もちろん粗利率と営業利益次第で%は変動します。エナジードリンクの「レッドブル」は売上の30%、アパレルコングロマリットの「LVMH(ルイヴィトンモエヘネシー)」は売上の11%を広告費に使っていると言われています。
ルイヴィトンの50万円のカバンを買ったらそのうち5.5万円がモデルさんや雑誌掲載などの広告費ということ。単価に直すと凄く少なく感じますね。
数字をつかった実例
「売上と粗利率、営業利益」から算出する方法は、たとえば前年の売上が1億で粗利率30%、営業利益8%なら、広告予算は売上の2~3%ぐらいで設定。
この例ですと、黒字が800万円で広告予算が年200~300万円です。
小規模ビジネスの場合年200~300万円の場合が多いのでこのままこの数字を例にします。
広告予算が年200~300万円でできること
・検索広告(Google・Yahoo等):月5~10万円程度
・バナー広告(Insta・Facebook):月5~10万円程度
・タイムCM(TV番組スポンサー):月30万円~
駅ホーム看板などのいわゆるOOH(交通広告ともいいます)は月2~3万程度のものから1ヵ月100万円以上のものまでさまざまなので探してみるのもありです。
広告予算が年200~300万円で出来ない広告
・動画広告(YouTube広告・TikTok広告):ターゲットユーザー数がそのまま予算感ぐらいのイメージでないと認知度が上がらない。ターゲットユーザーが200万人ぐらいだと2週間~4週間ぐらいで200万円は必要。
・スポットCM(TVCM):エリア人口が予算感になるイメージです。関東だと2-4週間で4,500万円程度は必要。人口によって金額は下がりますので北海道だと500万円、新潟だと100万円程度。
・ロードサイン:年間100万円~ほどかかるものが多い。誘導目的にしか機能しないケースがほとんどなので知名度が上がってからやる媒体。
・ポスティング:ポスティング費用は1枚当たり3~8円。印刷の1枚あたりもポスティング費用と似たような費用感になります。10万部ポスティングしようと思ったら60万円以上+チラシデザイン費はかかってきます。
※TVCMのスポットとタイムの解説は下記参照してください。
予算に対する、お問合せ数の予測
目標は資料請求やお問合せで予測していきます。
検索広告(Google・Yahoo等):月5万円
「企業名」などの指名検索の場合は1クリック50~100円程度。検索母数が多いビッグワード(例えば「不動産 渋谷区」等)は1クリックを300円~。
指名とビッグワードで平均して200円と仮定すると250ユーザーがWebサイトに流入すると想定できます。
ECサイトの購入率は高くて3%ぐらいですが、ユーザーが個人情報をいれて反響する可能性は大体は1%以下。となると前述の例だと反響確率を1%としても1資料請求に25,000円。
50万円の商品で広告費が11%と仮定します。単純に制作費と広告媒体費を5.5%ずつだと仮定するとCPO(新規顧客による受注1件にかかった広告費)が27,500円を超えるとNG。ギリ合格ですね。
バナー広告(Insta・Facebook):月5万円
CPM(1000回表示単価)が大体500円程度なので、月5万円あれば表示回数は10万回。
経験上クリック率が1-3%ぐらいであることがほとんどですが、クリエイティブとターゲティングが合致してクリック率が10%ぐらいまであがったことがあります。
クリック率を1%と仮定して10万×1%で1000ユーザー流入。反響確率を0.5%としても5資料請求で1資料請求あたり10,000円になり、ビッグワードの検索広告より指名検索×バナー広告をやるほうが利益につながりそうです。
TV番組スポンサー:月30万円~
番組のスポンサーになれば30秒のCM枠がもらえます。「ご覧のスポンサーの提供で・・・」とロゴも掲出されます。最低3-6ヵ月間の契約期間。6時台、23時台などの番組であれば30万円からできます。
メリット
・CPM換算にするとバナー広告よりもCPM(1000回表示単価)が安い
・動画なので記憶に残る。
・番組を選んでいるのでターゲットに近い。
デメリット
・制作費は広告の中で一番高い。CM制作費は50万円~。タレントを使えば億単位。
・「ターゲット外」にも「競合会社」にもCMが見られてしまうということ。
ターゲット外もいつか顧客になるかもしれないので無駄ということはないですが、競合に至っては「CM」の内容と番組スポンサーになっている背景から、どういうマーケティングをしていくのか競合にバレます。尚且つCMを見た人が検索しやすそうなワードで検索広告を仕掛けてきます。節操がないですが広告業界はそういうものです。
CMを行うとバナー広告のクリック率が上昇したり、認知度が大幅に上がるケースも多いので、CMはプロモーションの土台としておすすめではあります。
各広告でおすすめのお問い合わせ先
TVCMは広告代理店orテレビ局にお問合せします。広告代理店とテレビ局の価格は同じなので全局紹介してくれる「広告代理店」の方がおすすめです。有名どころでいいと思います。
検索広告やバナー広告のお問合せは「一括お問合せ」がおすすめ。一括お問合せのサービスを下記で紹介しているので是非読んでみてください。